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zoom RSS BL小説「斜光線〜人肌の秘めごと〜」

<<   作成日時 : 2012/04/13 00:20   >>

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沙野風結子:原作 梨とりこ:絵
「斜光線〜人肌の秘めごと〜」 B’
海王社




お前を俺が剥き出しにしてやる。

父が社長を務める出版社の経営難を救うべく、副社長となり手を貸すことになった橘 和叉。社運を懸けた企画――人気の元戦場カメラマン・塔野の写真集を刊行するため彼を訪ね、条件として住み込みでモデルをすることを強いられる。だが、かつて撮られながら陵辱を受けた和叉は、写真と他人との接触を嫌悪していた。 「素直に感じてみろ」カメラの前で懸命に己を保とうとするが、塔野は淫らな表情を要求するばかりか強引に身体を奪う。男に穿たれ屈辱に塗れる心とは裏腹に、和叉の身体は快感に喘ぎ――。





沙野さんの新刊を読んでみました。
梨さんの表紙絵に惹かれたというのも大きかったです。




以前は株のディーラーをしながら、別の職業で自分の力を試したくて父親の経営する出版社で現在は副社長をしている和叉

しかし、下降する一方な会社の経営を立て直すべく今回企画されたのが、
現在、人気報道カメラマンとして知られる塔野の風景を扱った写真展と写真集の発売権。
見事に勝ち取ったように見えたが、塔野の性格等をよく知らなかった和叉は、写真展の会場で塔野を怒らせてしまう。

事情を知った和叉は手土産持参で謝りに行くのだが、何故かそこで被写体になってくれたら写真集を出していいと言われてしまう。
だが、和叉には写真と人肌に触れられるとどうしてもダメな理由があった。



高校時代、親友だと信じていた有坂から、卒業式の日に性的暴力を受け、写メを取られてしまったのだ。
有坂も父親が出版社を経営。
何かと比べ続けられていた。
自分は会社を継ぎたい。なのに浪人で
逆に和叉は特に継ごうとも思っていなくて。なのに有坂がどんなに逆さになっても合格しないような大学にストレートで合格してしまって・・・

だが、これで決定的に和叉は心と身体に傷を負ってしまった

人を信じ切れない
肌に触れられると嫌悪が走り、最悪は吐いてしまう
フラッシュやシャッター音に過去がフラッシュバックしてしまう


懸命に排除してきたのにーーー


塔野に写真集を条件に被写体にさせられただけでなく、1ヶ月自分の家に住みこめと言われ。
その間は写真を取られ放題。触られ放題。
寝室も一緒で熟睡できない

寝不足から正常な判断も鈍るし、社員とのコミュニケーションも労わる気持ちも欠けていき・・・


そんなある日、突然有坂が現れる
父親の会社の重役として。

会いに来た理由は1つ  塔野の写真集を出す権利を譲れ


卒業式の事を持ち出され。
それでも否定した和叉だったが、その件でさらに抱えた悩みを塔野に見抜かれ。
なのに悩みを打ち明けようとしない和叉に焦れた塔野はベランダで和叉の意に添わない淫らな事をされてしまい、しかもそれを有坂の関係のカメラマンに撮られてしまって・・・



こんな感じで話が進みます。
結局撮られた写真で塔野の事を持ちだされ、1ヶ月一緒に居ると約束した最終日、ワザと塔野の前から姿を消して権利を白紙にしてしまう和叉。
しかし、その前にポソリと和叉が言っていた言葉を覚えていた塔野が内緒で和叉を見張り、有坂に脅されている事。
何をネタに脅されているかを突き止め、さらにはホテルの部屋に連れ込まれてしまった所に踏み込んで脅していた全てのモノを没収してハッピーエンドとなります。



ただ、とにかくずっと心に受けた傷と戦いながらのやり取りが続いていたので内容の印象はとにかく重い!
和叉の叫びが聞こえてくるようでした。

ただ、塔野が報道カメラマンになった理由(両親が事故で死亡)
カメラマンとして赴いた先での身体と心に受けてしまった大きな傷。
報道カメラマンには戻れない。
こんな意に沿わない風景や人間を撮らなくてはならないのならカメラマンは辞めてしまおうかとも思えるほどの打撃。

ずっと塔野がそんな心を抱えていた事を知った和叉は、自分が抱えていたモノに近い塔野の心を感じ距離が縮まっていった事。

嫌悪感の先にある快楽を知ってる自分の身体も含めて嫌いだったのに、1ヶ月の間に少しずつ塔野に限っては薄れていく和叉の心境の変化。

それでも塔野にだけは知られたくない自分の秘密
塔野だけは守りたい撮られてしまった写真の件


そして塔野自身もそんな痛くて苦しい記憶を唯一癒してくれるのが和叉だけと気付いて。




話の内容が大きく動くのは本当にラストの1/3辺りからなんですけど、
2人のバックグラウンドというか受けた傷が半端無く大きく影を落としているせいか、どうも幸せになっても私の中で切り替えが上手く出来なくて。


どんな事があっても割にハッピーエンドになった先はバラ色な感じなのに、この作品はずーっとネズミ色のような感じで(^^ゞ
上手く説明出来ないんですが、それは2人のどうしても消せない傷の色なのかな?って。

重い重いって書いてきましたけど、だからって読み進められないわけじゃなく私は一気読み。
そこが沙野さんの文章力なのか?
全く止まる事なく読み切っちゃいました。

まぁ、報道カメラマンという特殊な職業の人が出てくるBLを読むのは初めてだったし、読む前はちょっと違和感みたいなのを感じたんですが、
読み進めればそれが重要なエッセンスになっていたんだとわかり魅力が増しました(^^)



梨さんのイラストは相変わらず綺麗で。
ただ、ちょっと少なく感じたのは何故だろう?(別に極端に少なかったわけじゃないのに/笑)
それと、和叉の印象ばかり強くってあとがきで塔野のラフ画を見て「あれ?塔野ってこんなだったっけ?」と前の挿絵を見直しちゃったり(爆)

いろいろ不思議な印象を持った一冊になりました。





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